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こういう事態が予想されるときは、まず第一にはそのような作業は控えるべきです。
やむを得ず作業を進める場合は、その場にいる人員のうちで職制上の上級者を作業指揮者とみなし、その手際が少々不満でも、他の人は最後まで統制を乱さないことが安全のためには重要と思います。
次に「個人の能力限界」についてですが、初めて経験するような作業の場合、どの程度の安全係数をみておけばよいか判断がつかないことがあります。
経験の少ない者にとってそれがどの程度危険な作業なのか、あるいはどんな危険が潜んでいるのか、すべてを予測するのは難しく、あらかじめ書類や図面で調べるのは当然としても、やってみないとわからない部分も多いと思います。
そのような作業を担当するとき、安全かどうかを判断する目安としては、自分がこれからしようとしていることを説明ができるかどうかだと思います。
自分が何をどうしようとしているか説明がつかなくなったときは、それは既に安全圏を外れてしまったのだと認めなければなりません。
作業指揮者であれば、もはやその能力を失っていると

 

 

 

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